温泉 -男と男のガチンコ勝負-

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タイトルが腐女子ホイホイになっているかもしれないが、別にそういう要素はこの記事には含まれない。この記事にあるのは一人の温泉好きの熱い気持ちだけである。

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男の生き様

負けられない戦いがある。男には。

それは女性を守るとき?社会の地位を守るとき?スマブラで勝負したとき?答えはどれもNOだ。ではどんな時だと思うだろう?

答えは自分のプライドと闘う時なのだ。男にとってプライドは命の次に大切なものである。

今日の僕は、日々の喧騒を忘れ、温泉にのびのびと浸かっていた。というのも普段仲良くさせて頂いているおばちゃんから、毎月26日の「風呂の日」に1枚しか手に入らない激レアな温泉入浴半額券を頂いたのだ。と言っても期限が残り3日ほどだったので、暇な僕はただの紙切れへと変わってしまう前に押っ取り刀で温泉へ駆けつけたのである。

自称、温泉通である僕は月に必ず1度はここの温泉に訪れる。いわば「行きつけの風呂屋」なのだ。福岡のお風呂マイスターと呼ばれる日もそう遠くないだろう。それは本物の温泉通に怒られそうだから前もって謝っておく。ごめんなさい。だがそれくらい温泉が好きなのは本当だ。最初は混浴に入って素敵な出会いが欲しい。
もしくは美人若女将とお風呂マイスター、混浴で交わる一夜の酒池肉林事件!という昼ドラ感満載の下心から温泉を探し求めていたのだが、当初の目的を忘れるほどに温泉の素晴らしさにどっぷりと浸かり、時間とお金さえあれば九州圏内ありとあらゆる風呂屋を巡るようになった。

腹ごしらえ

時は数時間前に遡る。

入浴半額券を手に入れた僕は、意気揚々とラーメンを啜っていた。地元から少し離れたラーメン屋なのだが、正直いって味はゲロマズい。なんでお金払ってこんなネギくっせぇラーメン食べてるんだろう。と最初の一口目は後悔する。しかし2口目を啜った瞬間に世界が変わる。

「ん?さっきはしなかった豚骨の味がするぞ?」

不思議な感覚に口が犯されていることにも気付くことなく。さらに1口。

「この麺、美味い…かも!」

ここまで来たら手遅れだ。もう後には引けずに、トムソンガゼルを捉えたチーターのように貪りつく事必須だ。そして全てを食し終えた頃にこう思う。

「やっぱ不味かったかも。吐きそう。」

だが翌日には不思議とまた不思議と食べたくなる。危ないお薬入ってるんじゃないの?合法?このラーメン合法?という一抹の不安がよぎる程、中毒性のあるラーメン屋さんなのだ。

温泉のいろは

そんなラーメン屋さんを後にし、気分良く向かった先は行きつけの温泉。相変わらずの人の多さに飽きれつつも、せかせかと店内を目指す。店内はキャラメルポップコーンを販売しているのだろう。甘ったるい香りが鼻から肺に染みわたり、先ほどまで口に残っていたネギ臭さを忘れさせてくれる。だが他の人にはしっかりとネギ臭さは香っていることだろう。

券売機で券を買い、半額券と購入した入浴券を番台にふてぶてしく居座っているおばちゃんに渡す。

「あい、ありがとさん。」

相変わらず不愛想なババアだ。しかしそれもまた風情を出してくれるスパイスの様な物だ。愛してるぜおばちゃん。

脱衣所へと向かう。

「ハズレか。」

ここの温泉は、というかこのようなシステムの温泉は多いのかも知れないが週替わりで男性専用、女性専用の浴場が入れ替わる。片方には「寝湯」と呼ばれる寝そべってゆっくりお湯に疲れるという贅沢なスペースがあるのだが、今週はそれが女性専用の順番だったのだ。

若干気を落としつつも、服を脱ぎコインロッカーへと放り込む。タオルを1枚さらい、浴場へと駆け込んだ。

入浴の順番

まず、かかり湯で体を洗い流す。これは温泉上における絶対的なマナーだ。温泉界の「挨拶」とでも言っておこう。しかしこのかかり湯。事前に体の汚れを落とすマナーとして、もちろん素晴らしいが、それ以外にも体を先に温め、体を湯にならす。といった面でも活躍できる。なので足や手からなど末端から徐々に温め、最後に胸付近にお湯を浴びるとベリーグッドだ。温泉紳士とでも呼んでおこう。

それから悩むのが、お風呂に入るのか、体を洗うのか、という所だろう。しかしこれに答えを出すのは難しい。先に体を洗うのはもちろん温泉紳士として素晴らしい事だ。しかし、ちょっと考えて欲しい。

貴方が入ろうとしているのは、銭湯なのか、温泉なのか。

という事だ。銭湯だったらまず体を洗うのが正解だ。体を清潔にして入ることでみんながハッピーになれる。それがもし温泉だった場合、石鹸、ボディソープ等で体を先に洗い角質をとると、温泉の成分と刺激しあって折角の温泉の成分が十二分に発揮できない。なので温泉の場合はかかり湯で汚れを落とし、お風呂に入るのが正解と言えるだろう。温泉の成分を肌に吸収させるのだ。目指せマイナス5歳肌なのだ。

至福の一時

湯船に足を付ける、冷え切った足先がジワっと熱を吸い上げる。静かに、静かに体を沈めてゆく。

「ふぅー。」

自分の意志と無関係に声が漏れる。これは体温と湯温の差があまりない時に副交感神経が作用されてこのように声が漏れてしまうらしい。このように声出ししている人がいたら、「あ、この人はお風呂通なんだ!」と思って頂くと良いだろう。

ちなみに

「あ”あ”-。」

この声が出てしまった人は体温と湯温の差が開きすぎている為筋肉が収縮してこのように声が出るらしい。どっちにしろ温泉マイスターとは呼べない。次回からはしっかり体をあっためて入浴することを推奨する。

ゆったりと風呂に体を任せる。至福の一時だ。日本人に産まれて本当によかったと思える瞬間である。

負けられない戦い

ふと、横を覗く。サウナだ。

普段、僕はサウナは利用しない。何故かというと暑いし我慢できないしクラクラするからだ。要はまだまだお子様だった。という事なのだろう。

しかし今日の僕は、大人だった。

体をいったん拭き上げ、サウナの門を開ける。重圧感があり立ち入るものを厳選する様な出で立ち。まるで地獄の門である。いや、ほんとに扉重すぎてめっちゃ腕痛かった。扉開けるだけで汗かいたわ。

中を一周見渡す。よし、誰もいない。

フリーダムッ!!

タオルを外し、おもむろにシャドーボクシングをする。
その姿はさながら、ドラマ「1ポンドの福音」の亀梨和也だ。しかし、至福の時はすぐに終わりを告げる。若い男が1人、入ってきたのだ。すぐさまシャドーボクシングを止め、サウナの常連客を装い目を閉じ瞑想する。それにしても暑い。鼻で呼吸したら熱気で鼻が燃えそうだ。

あれから体感にして2分が経っただろう。目を閉じている為、何も分からない。もうサウナから出て楽になりたい。でもこのサウナ素人野郎には負けたくない。よって、こいつが出るまで僕は出ない。試合のゴングがサウナに鳴り響いた。

3分経った。若い男はまだ出ない。なんかこの男ロッカーのキーちゃらちゃら言わして遊んでる。

多分5分くらい。早く負けを認めろよ。素人め。

6分、目閉じてるし聴覚がすごく発達した気分。まだかな。汗が目に入って痛いな。

7分。

不動明王かよ!!早く出ろやクソガキ!!

8分くらい?よく分かんない。

立ち上がった瞬間に座りやがった。畜生、挑発してんのか。お前がその気ならとことん付き合ってやるよ。

10分

べっ、べつに負けたなんて思ってないし!ってか先にサウナ入ってたの僕の方だし!?時間的にいうと僕の方が長かったし!てか勝負とかまじバカなんじゃないの!?勝手に盛り上がってんなよ!…もぅ無理。水ぁびよ…

ふいに、若い男を横目で確認する。

こい…つ…

笑ってやがる…!!!!

は!!この素人め!覚えてやがれ!温泉通はな!サウナで勝負なんてしないんだよ!!

フラフラとおぼつかない足取りで扉までたどり着く。そして地獄の門と呼ばれたサウナの扉を開け、ん?開け………

開かない!?!?

てか力入らないし畜生!!おい男!笑ってんじゃねーよ!!見世物じゃねーぞコラ!!

全身の力を使い何とか扉をこじ開け、かかり湯を浴びる。サウナに入った後は、きちんと汗を流し湯船に入るのがマナーだ。こんな状況でも温泉マイスターは状況を判断し、冷え切った水風呂に浸かる。

お”お”ぉーーー

と九死に一生を得たトムソンガゼルの心の声のような溜息をつき、火照った体を急速に冷やす。体に悪い?そんなもの知ったことではない。

脳が冷静さを取り戻したところで。次に入る風呂を考える。内風呂で少し体を慣らすか、はたまた温泉の醍醐味ともいえる露天風呂で外の風に当たりながら癒されるか。僕ならこうするだろう。

おうちに帰ろう。

fin


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